旅をした人は、なぜ旅人を助けるのか
日本一周の旅をゴールして２ヶ月半が経ちました。
１ヶ月に１～２人のペースで旅中、各地で出会った人が東京に遊びに来るので
月に一度は東京案内に外出したりして、
旅以前とは違う形で私の生活はにぎやかになり、色んな事もあるけれど楽しくやっています。
今週も、
旅中に泊めていただいた友達の祖父母が 九州から出てこられるとの連絡があったので、
巣鴨のとげぬき地蔵と上野のアメ横をご案内してきました。
旅の恩返しです。
現在友達は留学中で不在なので、友達抜きで 友達の両親や姉妹やその旦那や祖父母に混ざって
友達の実家で仲良く家族団らんの晩ご飯を頂きました。
「今日は、遙さんが本当の孫です」と嬉しそうに言ってくれたり
「出発の朝、台風の中走っていく遙さんの後ろ姿を見おくってたら、本当に涙が出てねえ…」と
思い出を話すお祖父ちゃんを横に、
いつの間に私は、友達のお祖父ちゃんお祖母ちゃんとこんなに仲良くなったのだろう…と
なんとも面白おかしかったです。
その友達とはそんなに仲が良かったわけでもないし、
ただバイトが一緒だったというだけで二人きりで遊んだことも無かったけれど、
旅をしている私に「配達ついでに、ウチのお祖父ちゃん家泊まったらいいよ」と言ってくれたのには感謝の一言でした。
もしかしたら、私の泊まれる所を作るために配達物を依頼してくれたのかなぁ…なんて今は考えたりします。
その後、その配達を連載記事にさせてもらうのに当時の感想とかを友達にリスニングした時、
「あの時、
やっぱりみんな初めてのことで家族もお祖父ちゃんもお祖母ちゃんも親戚も想像できなかったみたいで、
遙ちゃんをどうやって迎え入れたらいいか…って色々話しあったり考えたりしてね。」
と口走った言葉を聞いた時、”あぁそんなにしてくれてたんだ”って、
温かく朗らかに迎え入れてくれたことを思い出しながら
何も考えてなかった自分にものすごく申し訳ない気持ちに包まれたっけなあ。
道ばたで出会った旅人をホイッと拾って家にしょっちゅう迎え入れてる人も世の中たくさんいるけれど、
山深い僻地で地元の人以外いないような友達の祖父母の地域では、
旅も配達も考えられないものでビックリさせちゃったんだろうな…って自分の旅の在りかたを反省したこともありました。
全国各地あっちこっちで、とっても良くして頂くばかりだったけれど
自分では気づいてない位まわりの人は色々考えててくれてたのかもしれないな、って今改めて思います。
感謝をしてもしきれないほど…この想いをどこにぶつければいいのだろう…
だから、自分が旅行者や旅人に出会ったときは、少しでも 自分が受けてきた親切を返していきたい。
旅中、何十人もの人に同じことを言われ続けてきました。
「私は旅をしているとき見ず知らずの人にたくさん親切にしてもらったけれど、その人にお返しすることが出来な い。
だから、自分が受けた恩を今日出会った君に返しているんだ。黙って受け取りなさい。
そして、君が今日受けた恩は、君が旅が終わったとき出会った旅人に返していきなさい。」
と、何十回も何百回も。
優しさが受け継がれていく…、優しさの連鎖ですね。
わたしは今まではもらうばかりだったけれど、やっと旅が終わり返していけるようになりました。
返してみたら、優しさの連鎖の途中に自分が居れることにとっても幸せを感じるようになりました。
九州に帰ったお祖父ちゃんは、どこかの旅人を掴まえてまたこれを受け継ぐのかな、
なーんて考えると嬉しくなります。
「縁」って、「旅」って、不思議なものです。
あの日、あの時、あの場所、あのタイミングで、あの道を選ばなかったら、
東京を一緒に歩いたお祖父ちゃんもお祖母ちゃんも ただの知らない人だった。
空港からかけてくれた公衆電話ごしにお祖父ちゃんが言った、
「遙さんの大きな夢、世界一周が叶うことを心から祈っています…
また会いましょう…」
体力が落ちたし東京に来れるのもこれが最後かな、って言ってたお祖父ちゃんだから
泣きそうになってしまった。
まだ見えぬ世界を走るバイクに、お祖父ちゃんの言葉がズッシリ乗っかった。
また会いましょう
また会いましょう
世界に出たら絵ハガキだすね、
また会いに行くからね、お祖父ちゃんお祖母ちゃん。
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コメント＆トラックバック
一人旅って、そういう出会いがあるから心に染みるんですよね。
一期一会。
またどこかで会えるかもしれないし、
もしかしたら、もう二度と会えないかもしれないけど、
何気ないワンシーンが、自分の中に一生焼き付いて。
そして、そうやって記憶にひとつひとつ、積み重ねていって。
だから、旅先で出会った人と別れる時は、
「さようなら」じゃなくて、
「またね」という言葉が自然と出てくるんですよね(^O^)/
2010 年 11 月 21 日1:51 AM posted by サスライダー