死とオートバイ
栃木ボランティアから帰って新たに決意を固めたのも束の間、
日本一周の旅先でお世話になったオジサンが亡くなりました。
オジサンは旅仲間のお父さん。
突然の知らせでした。
ある日突然 原付バイクで現れた訳のわからない日本一周女の私を、
ドライブや温泉に連れ立ちもてなしでて下さいました。
「オヤジがさぁ、遙を色々連れて行こうと思ってるみたいだからさ、
疲れてるかもしれないけど ちょっと付き合ってやってよー」
オジサンは言葉も表情も表現は少ないけれど、
こんな私のことを楽しませてやろうと色々計画してくれているのが伝わってきて、
観光地めぐりより温泉より何よりも、その心が嬉しかった事を記憶しています。
あの日の言葉が、ストンと心に落ちてきます。
オジサンとオジサンの家族と過ごした数日は、
家族をつくり、子供を迎え育て、日々をこなして生きる人の営み・愛とか生活とかいうものを考えた出会いでした。
こんこんと山から湧き出る水のように、
いつでも変わらずそこにあるような気がしていました。
そんな家族でした。
不変なんて幻想につきないんだろうか…と最近考えることが多くなってきました。
そう考えると、空虚感でいっぱいになってしまいます。
オジサンが亡くなった理由は、オートバイ事故…でした。
だから、オートバイと共に動く私にご家族は知らせてくれました。
「遙ちゃんもバイク乗りだから…。だから、ね…。」
続かない言葉を電話口で聞きました。
だから、だから、だから、だから…私はどうする?
へこんで悩んでみましたが、昨晩風をきって吹っ切れました。
まがりなりにもこうやって、バイクを掲げたブログを運営してたり
バイク雑誌なぞにもちょこっと書かせていただいてバイク乗りの方に近いところにいる私。
哀悼の言葉じゃない、それ以上のものを綴りたい。
オートバイって乗り物は、
時として
こちらに非がなくても事故をおこすことがあるんだ。
危険な乗り物です、危険か危険じゃないかって聞かれれば。
だけど、楽しいよ。気持ちいい。
季節や風、人さえも運んでくる。
生きているって儚いから、今に最善を!
& Be careful
2年前、オジサン家族の人数分贈ったミサンガの携帯ストラップ。
切れずに、最期の日までオジサンの携帯電話にくっついていたそうです。
おじちゃん、そんなに大切にしないでよ。
ミサンガは、切れたときに願いが叶うんよ。
切れなかったから、いけないんだよ…。
幻想だ、といわれたとしてもやっぱり私はそう考えてしまいます。
死というものは、
何度出会ってみても受け入れがたく、最善は何だったんだろうか?と考えふけってしまいます。
最近たびたび死にであってしまっているけれど、哀しい死はしばらく嫌だな。
久しぶりに、ミサンガを編んでみようと思います。
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コメント&トラックバック
危険な乗り物を自分の力で安全な物にする、それがオートバイの魅力だと思ってます。
今できる事はオジサンの分までオートバイを乗り続けてあげましょう。
オートバイに世界の空気を吸わせてやって下さい。
ゲーテは遥さんに言ってます。
人が旅をするのは、
到着するためでなく、
旅をするためである。
2011 年 7 月 27 日10:20 PM posted by 5VY YZF-R1
僕もおじさんでバイクの初心者です 日本一周したいと
思っています バイクの運転は危険と言えば危険ですがね
楽しい事もありますのでオジサンの分まで乗って欲しいと
僕も思います
2011 年 8 月 2 日10:03 PM posted by メロン
お久しぶりです。
車は、人に当たれば人を殺します。
バイクだって、転べば痛いし、死ぬ時もあります。
でも車は、人殺しの機械ではありません。
バイクだって、怪我をするためや自殺の機械ではありません。
移動機械をそれらにしないためには、注意が必要なのです。
技量が必要なのです。
自分は、自動車運転歴は23年ですが、そんなおじさんにもバイクは、技術が必要があればこそ、自由の翼なのです。
バイクを運転する時は、その責任や義務があります。
大事な人たちのためにも、安全を重視して運転しましょう。
2011 年 8 月 20 日6:26 PM posted by birdybirdy
貴重な…尊い学びですね。
おじさんは大自然や大宇宙のエネルギーになって見守ってくれてると思います。
次の人生への準備もしてるかもです。
きっと幸せだったんじゃないかなあ。
良き捉え方をして
私達は私達でもう少し此方の世界でオジサンの分も顔晴りましょう。
ありがとうございます。
2012 年 9 月 11 日5:52 AM posted by ばきーん